ADaMの基礎を学ぶ
臨床試験データ標準の全体像とADaMの位置づけ
CDISCとは
CDISC(Clinical Data Interchange Standards Consortium)は、臨床試験データの標準規格を策定する国際的な非営利団体です。FDA・PMDAへのデータ申請では、CDISC標準に準拠したデータが求められます。
臨床試験データは以下のフローで標準化されます。各ステップをクリックすると詳細が表示されます。
CDASH
データ収集
➡
SDTM
データ集計
➡
ADaM
解析データ
➡
define.xml
メタデータ
ADaM(Analysis Data Model)
SDTMデータを基に、統計解析に直接使用できる形式でデータを構造化する標準モデル。変化量・ベースライン値の導出、解析フラグの設定等を行い、TFL(表・図・一覧)の出力元となります。
ADaMとは
ADaM(Analysis Data Model)は、CDISCが策定した解析データの標準モデルです。SDTMデータを基に、統計解析に直接使用できる形式でデータを構造化します。
ADaMの目的
- 統計解析に直接使用できるデータセットを提供する
- 解析結果の再現性(traceability)を確保する
- 規制当局(FDA/PMDA)への電子申請データの標準形式を提供する
- 解析プログラムの効率化と標準化を実現する
4つのデータセットクラス
ADaMデータセットは、その構造により4つのクラスに分類されます。
SDTMとADaMの関係
SDTMがソースデータ、ADaMが解析用データという関係にあります。
SDTM(ソースデータ)
- CRF(症例報告書)のデータを標準化
- 収集データの「そのまま」の記録
- ドメイン単位の横持ち構造が基本
- 規制当局への申請用フォーマット
- DM, AE, LB, VS, EX 等のドメイン
変換・導出
フラグ付与
値の導出
構造変換
ADaM(解析データ)
- 統計解析に直接使用できる形式
- ベースライン値・変化量等を導出済み
- 解析目的に応じた構造(ADSL/BDS/OCCDS)
- TFL出力の直接的なソース
- ADSL, ADAE, ADLB, ADVS 等
仕様書の構成要素
ADaM仕様書には以下の要素が含まれます。
| 要素 | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| データセット名 | ADaMデータセットの名称(最大8文字) | ADSL, ADAE, ADLB |
| データセットラベル | データセットの説明的な名称(最大40文字) | Subject-Level Analysis Dataset |
| 変数名 | 各変数の名称(最大8文字、英大文字・数字) | USUBJID, AVAL, CHG |
| 変数ラベル | 変数の説明ラベル(最大40文字) | Unique Subject Identifier |
| 型(Type) | 変数のデータ型 | Char(文字型), Num(数値型) |
| 長さ(Length) | 変数の最大長さ | 8, 20, 200 |
| Core | 変数の必須度 | Req(必須), Cond(条件付き), Perm(任意) |
| ソース/導出方法 | 変数値のソースまたは導出ロジック | SDTM.DM.AGE, 導出: AVAL - BASE |
| コメント | 補足説明や注意事項 | SAPの定義に基づく、投与後のみ計算 |
用語集
ADaM仕様書でよく使われる用語をまとめました。
次のステップ
基礎を理解したら、各データセットクラスの詳細を学びましょう。