更年期に使われる漢方薬おすすめ5選|症状別の選び方

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療アドバイスではありません。症状が続く場合は医師・薬剤師にご相談ください。

この記事の結論

  • 更年期症状に用いられる漢方薬は「三大婦人薬」が基本——加味逍遙散・当帰芍薬散・桂枝茯苓丸の3処方
  • 症状と体質で選ぶのが漢方のセオリー——「更年期だからこれ」ではなく、虚実・気血水のバランスで処方が変わる
  • 漢方はホルモン補充療法(HRT)との併用も可能——西洋医学と東洋医学の「いいとこ取り」ができる

## 漢方の視点で解説

漢方の視点で解説

漢方医学では更年期を「腎虚(じんきょ)」——生命エネルギーの根本である「腎」の力が自然に衰えていく過程と捉えます。これは病気ではなく、生命の自然な変化です。

更年期に起こる多彩な症状は、腎虚をベースに気の上衝(のぼせ・ほてり)血虚(貧血傾向・乾燥)瘀血(肩こり・頭痛)水滞(むくみ・めまい)が複合的に現れたものと解釈されます。

だからこそ、漢方では「更年期=この薬」という画一的な処方ではなく、その人の体質と症状のパターンに応じた個別処方が重視されます。

## 具体的な処方と使い分け

具体的な処方と使い分け

処方名 ツムラ番号 体質 主な症状
加味逍遙散(かみしょうようさん) 24番 虚〜中間証 イライラ、不眠、ホットフラッシュ、肩こり
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) 23番 虚証 冷え、むくみ、疲れやすい、めまい
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) 25番 実証 のぼせ、頭痛、肩こり、足の冷え
温経湯(うんけいとう) 106番 虚証 手足のほてり、唇の乾燥、冷えのぼせ
抑肝散(よくかんさん) 54番 虚〜中間証 怒りっぽい、不眠、神経過敏

症状別の選び方フローチャート

  1. イライラ・精神不安が強い → 加味逍遙散 or 抑肝散
  2. 冷え・むくみ・疲労が中心 → 当帰芍薬散
  3. のぼせ・頭痛・肩こりが中心 → 桂枝茯苓丸
  4. 手足のほてり・乾燥 → 温経湯

## 知っておきたい注意点

知っておきたい注意点

  • 加味逍遙散・当帰芍薬散には甘草が含まれる——長期服用時は偽アルドステロン症に注意
  • 症状が複数ある場合は、最もつらい症状を優先して処方を選ぶ
  • 漢方薬の効果発現には2〜4週間かかることが一般的——すぐに効果を感じなくても焦らない
  • 乳がん既往のある方はHRTが使えないケースが多く、漢方が第一選択になることも——必ず主治医と相談を
  • 市販品と医療用では生薬の配合量が異なる場合がある

※個人の感想であり、効果を保証するものではありません。

マニアックメモ

「三大婦人薬」は日本独自の分類です。中国では更年期に「六味地黄丸(ろくみじおうがん)」系の「補腎(ほじん)」処方が主流ですが、日本では血と水に着目した処方が好まれます。これは日本人女性の体質傾向(虚証が多い)を反映した結果とされています。

興味深いことに、加味逍遙散の「逍遙(しょうよう)」は「気ままにぶらつく」という意味。気の巡りを改善して心を自由にする、という処方の本質を表す美しい名前です。出典は宋代の『太平恵民和剤局方(たいへいけいみんわざいきょくほう)』。

参考:日本産科婦人科学会ガイドライン、ツムラ各処方添付文書

まとめ:こんな人におすすめ

  • 更年期の多彩な症状に悩んでいる40〜60代の女性
  • HRTに抵抗がある、または使えない事情がある人
  • 「なんとなく不調」を体質から根本的に整えたい人
  • 西洋医学と漢方を組み合わせたアプローチに興味がある人

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※症状が続く場合は医師・薬剤師にご相談ください。